Guides
お役立ち情報

未経験からの転職、資格取得、働き方の選び方まで。
トラガールとして活躍するために知っておきたい情報を、わかりやすくまとめています。
ドライバー用語解説
モーダルシフトとは?トラック業界の2024年問題との関係も分かりやすく解説
モーダルシフトとは?トラック業界の2024年問題との関係も分かりやすく解説

物流業界のニュースで「モーダルシフト」という言葉を目にし、トラックドライバーの仕事にどう関わるのか気になった経験はありませんか。環境問題や2024年問題といった話題とあわせて語られることが多く、具体的な内容がつかみにくい言葉でもあります。この記事では、以下の内容を分かりやすく解説します。

  • モーダルシフトの意味と語源
  • モーダルシフトが注目される理由
  • メリットと課題
  • トラック輸送との関わり方
  • トラックドライバーという仕事の選択肢

読み終えるころには、モーダルシフトという言葉の意味と物流業界への影響を理解できるようになるはずです。

モーダルシフトとはトラック輸送を鉄道や船舶に転換する取り組み

物流業界には、輸送の効率化や環境負荷の低減を目指すさまざまな取り組みが存在します。まずは「モーダルシフト」という言葉の意味と、その語源について見ていきます。

モーダルシフトの意味

モーダルシフトとは、トラックなどの自動車で行っている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶による輸送へ転換する取り組みのことです。すべての輸送を鉄道や船舶に置き換えるのではなく、工場や倉庫からの出荷、駅や港から目的地までの区間はトラックが担い、幹線となる長距離区間を鉄道や船舶に任せる形で組み合わせるのが一般的な考え方です。

モーダルシフトの語源

モーダルシフトという言葉は、英語の「モーダル(modal)」と「シフト(shift)」を組み合わせた和製英語です。モーダルは「輸送手段」や「様式」を意味し、シフトは「転換」や「移行」を意味する単語です。直訳すると「輸送手段の転換」となり、貨物を運ぶ手段そのものを見直す取り組みであることが言葉からも読み取れます。

モータリゼーションとの関係

高度経済成長期には、高速道路網の整備や戸口から戸口まで運べる利便性から、鉄道や船舶からトラックへ輸送手段が移っていく「モータリゼーション」という現象が起こりました。現在求められているモーダルシフトは、このモータリゼーションとは逆方向の動きにあたります。環境問題やドライバー不足といった社会的な背景から、あらためて鉄道や船舶の活用が見直されているといえます。

モーダルシフトが注目される理由

なぜ今、物流業界でモーダルシフトが注目されているのでしょうか。背景にある課題を整理していきます。

環境負荷の低減

国土交通省の資料によると、1トンの貨物を1キロメートル運ぶ際に排出される二酸化炭素の量は、営業用トラックが216グラムであるのに対し、鉄道は約20グラム、船舶は約43グラムとされています。トラック輸送に比べて、鉄道は約11分の1、船舶は約5分の1という少なさであり、環境負荷を大きく低減できる点がモーダルシフトの大きな利点です。

2024年問題とドライバー不足

2024年4月からトラック運転者の時間外労働に上限規制が適用され、いわゆる2024年問題として物流業界全体に影響が広がっています。長距離輸送をトラックだけで維持することが難しくなりつつある中、鉄道や船舶を代替手段として活用する動きが強まっているとされています。ドライバー不足の解消策のひとつとしても、モーダルシフトへの期待は高まっています。

政府による推進の取り組み

2021年6月に閣議決定された総合物流施策大綱では、鉄道輸送や海運輸送の輸送量を増やす目標が掲げられました。国土交通省は官民が連携する分科会を設けるなど、モーダルシフトの推進や輸送方法の標準化に向けた取り組みを進めています。政府と民間企業が協力しながら、輸送の在り方を見直す動きが続いています。

モーダルシフトのメリットと課題

モーダルシフトには多くのメリットがある一方で、普及を妨げる課題も存在します。両面から見ていきます。

モーダルシフトのメリット

環境負荷の低減に加えて、鉄道や船舶は一度に大量の貨物を運べるため、長距離輸送における効率化やコスト削減につながる可能性があります。また、トラックドライバーの拘束時間を減らすことができれば、労働環境の改善にも寄与すると考えられています。

モーダルシフトの課題

鉄道や船舶はダイヤやスケジュールに沿って運行されるため、トラックのように任意のタイミングで輸送することが難しい面があります。駅や港での積み替え作業が発生することで、輸送時間が延びてしまう点も課題のひとつです。コストメリットが出やすいのは一般的に500キロメートル以上の長距離輸送とされており、日本国内の輸送の多くが500キロメートル未満であることも、普及が進みにくい要因といえます。

トラック輸送との組み合わせ方

モーダルシフトは、トラック輸送をすべてなくすものではなく、それぞれの輸送手段の特性を組み合わせることを目指す考え方です。トラックには戸口から戸口まで機動的に運べる強みがあり、鉄道や船舶には大量輸送によるコストと環境面の強みがあります。両者を適切に組み合わせることで、全体として効率の良い物流を実現しようとしています。

トラック輸送とモーダルシフトの今後の関わり

モーダルシフトが進んだとしても、トラック輸送そのものがなくなるわけではありません。今後の関わり方について見ていきます。

末端輸送を担うトラックの役割

鉄道や船舶で運ばれた貨物も、最終的な配送先までは道路を使ったトラック輸送が必要になります。駅や港と配送先をつなぐ末端輸送の担い手として、トラックの役割は今後も欠かせないものであり続けると考えられます。モーダルシフトが進むことで、長距離輸送における負担が軽減される一方、地域内輸送の重要性はむしろ高まっていく可能性があります。

ドライバーの働き方への影響

長距離の幹線輸送を鉄道や船舶に任せる動きが広がれば、トラックドライバーが長時間の運転を続ける必要性が減り、労働環境の改善につながることが期待されています。近距離配送を中心とした働き方が広がることで、生活リズムを整えやすくなる面もあるといえます。

物流業界全体で進む効率化

モーダルシフトは、輸配送の共同化や輸送網の集約といった、他の物流効率化の取り組みとあわせて進められています。単独の対策としてだけでなく、業界全体で複数の施策を組み合わせながら課題解決を目指す流れの一部として位置づけられています。

トラックドライバーという選択肢

ここまでモーダルシフトについて紹介してきましたが、物流業界が抱える課題や、それに向き合う取り組みを知ったことで、業界への理解が深まった方もいるのではないでしょうか。トラックドライバーという仕事について、収入や働きやすさの面から具体的に見ていきます。

収入・雇用の安定性

物流業界は、生活に欠かせないインフラを支える存在として、安定した需要が続いているとされています。運送会社によっては、経験や資格に応じた手当が用意されている場合もあります。普通免許でも運転できる小型トラックの求人から始められるため、未経験者でも挑戦しやすい環境が整いつつあります。2017年3月以降に取得した普通免許では運転できる車両の範囲が変更されているため、応募前に自身の免許区分を確認しておくと安心です。

未経験からの転職

業界全体で労働環境の改善に向けた取り組みが進められている中、未経験者を歓迎する求人も数多く見られます。最初は近距離の配送業務から始め、先輩ドライバーの指導のもとで少しずつ経験を積んでいく流れが一般的です。研修制度が整った会社を選べば、無理なくスタートを切ることができます。

子育てとの両立

近距離のルート配送であれば、勤務時間が決まりやすく、家庭との両立を目指しやすい働き方のひとつです。長距離輸送に比べて宿泊を伴う運行が少ないため、生活リズムを整えやすい点もメリットといえます。モーダルシフトによって近距離配送の重要性が高まれば、こうした働き方の選択肢もさらに広がっていく可能性があります。

モーダルシフトに関するよくある質問

最後に、モーダルシフトに関してよく寄せられる疑問をまとめました。

モーダルシフトが進むとトラックドライバーの仕事は減りますか

長距離の幹線輸送は鉄道や船舶に置き換わる可能性がありますが、駅や港から配送先までの末端輸送にはトラックが不可欠です。トラックドライバーの需要そのものがなくなるとは考えにくく、働き方が変化していく側面が大きいといえます。

モーダルシフトはどんな荷物に向いていますか

一般的に、500キロメートル以上の長距離輸送でコストメリットが出やすいとされています。大量かつ定期的に輸送する貨物ほど、鉄道や船舶への転換がしやすい傾向があります。

モーダルシフトはいつから注目されていますか

環境問題への関心の高まりとともに以前から取り組まれてきましたが、2024年問題を背景に、労働力不足への対策としても近年あらためて注目が集まっています。

個人でモーダルシフトに関わることはできますか

企業の輸送戦略に関わる取り組みであるため、個人が直接関与する場面は多くありません。ただし、トラックドライバーとして末端輸送を担うことは、モーダルシフトを支える重要な役割のひとつといえます。

まとめ

モーダルシフトという物流業界の取り組みについて、意味や背景を振り返ります。

  • モーダルシフトとは、トラック輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶へ転換する取り組みである
  • 環境負荷の低減や2024年問題によるドライバー不足への対策として注目されている
  • 鉄道や船舶にはコストや環境面の強み、トラックには機動性の強みがある
  • モーダルシフトが進んでも、末端輸送を担うトラックの役割はなくならないと考えられている
  • 業界全体でさまざまな物流効率化の取り組みが組み合わされて進められている

物流業界の変化を知っておくことは、これからトラックドライバーを目指す方にとっても役立つ知識です。物流を支えるトラックドライバーの仕事に興味を持った方、トラックドライバーへの転職を検討中なら、ぜひ「トラガール」をご覧ください。