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トラック運転手のアルコールチェック全知識まとめ|義務化の背景から検知器の使い方、違反時の罰則まで網羅
トラック運転手のアルコールチェック全知識まとめ|義務化の背景から検知器の使い方、違反時の罰則まで網羅

トラックドライバーとして働く場合、運転前後のアルコールチェックは安全運行のために欠かせません。
特に事業用トラックを使用する運送事業者では、点呼の際にアルコール検知器を使用して、運転者の酒気帯びの有無を確認することが義務付けられています。

また、一定台数以上の白ナンバー車を使用する事業所でも、安全運転管理者による酒気帯び確認が必要です。

本記事では、以下の内容について詳しく解説します。

  • トラックドライバーにアルコールチェックが必要な理由
  • 緑ナンバーと白ナンバーで異なるアルコールチェックのルール
  • 運転前後の確認方法
  • 前日に飲酒した場合の注意点
  • 飲酒運転をした場合の罰則やリスク

「どのようなチェックを受けるの?」「前日にお酒を飲んだ場合はどうすればいい?」と気になる方は、正しいルールを確認しておきましょう。

目次

トラックドライバーのアルコールチェックが義務化された理由

アルコールチェックは、飲酒運転を防ぎ、安全な運行を確保するために行われます。

特にトラックなどの事業用自動車では、飲酒運転を防止するため、運転者本人の自己申告だけではなく、事業者による点呼やアルコール検知器を使った確認が制度として定められています。

飲酒運転による事故のリスク

アルコールは、運転に必要な判断力や注意力、反応速度などに影響を及ぼします。

そのため、道路交通法では酒気を帯びた状態で車両を運転することが禁止されています。

「少ししか飲んでいないから大丈夫」「前日の飲酒だから問題ない」と自己判断することは危険です。

特にトラックは車両が大きく、事故が発生した場合には周囲へ大きな被害を及ぼす可能性があります。ドライバー本人だけでなく、事業者側でも飲酒運転を防止するための管理が求められています。

アルコールチェック義務化の背景

アルコールチェックに関するルールは、事業用自動車と業務で使用する自家用自動車で異なります。

緑ナンバーなどの事業用自動車を使用する運送事業者では、2011年5月1日から、点呼時に目視等による確認に加えてアルコール検知器を使用し、酒気帯びの有無を確認することが義務付けられています。

一方、一定台数以上の白ナンバー車を業務で使用する事業所では、安全運転管理者制度に基づき、2022年4月1日から運転前後の目視等による酒気帯び確認と記録の保存が義務化されました。

さらに、2023年12月1日からは、アルコール検知器を使用した確認と、検知器を常時有効に保持することも義務付けられています。

つまり、「2022年からすべてのトラックで一斉にアルコール検知器が義務化された」というわけではなく、事業用トラックと白ナンバー車では制度や義務化された時期が異なります。

対象となる事業者と車両の基準

運送会社が使用する緑ナンバーなどの事業用トラックについては、貨物自動車運送事業に関するルールに基づき、点呼時の酒気帯び確認が行われます。

一方、白ナンバー車については、一定台数以上の自動車を使用する事業所で安全運転管理者の選任が必要です。

原則として、次のいずれかに該当する事業所が対象となります。

  • 乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用している
  • その他の自動車を5台以上使用している

この「1台以上・5台以上」という基準は、白ナンバー車などに関する安全運転管理者制度の基準です。

事業用トラックのアルコールチェックとは根拠となる制度が異なるため、混同しないようにしましょう。

アルコールチェックの具体的な実施方法

事業用トラックを運行する運送会社では、運転者が業務を開始する前や終了した後などに点呼を行い、酒気帯びの有無を確認します。

ここでは、一般的な確認内容を見ていきましょう。

運転前後の点呼での確認手順

貨物自動車運送事業者では、業務前・業務後などの点呼の際に、運転者の酒気帯びの有無を確認します。

確認はアルコール検知器だけに頼るのではなく、運転者の顔色や呼気の臭い、応答する声の調子などを目視等で確認したうえで、アルコール検知器を使用します。

また、業務前点呼では酒気帯びだけでなく、疾病や疲労、睡眠不足の状況、日常点検の状況なども確認されます。

安全に運転できない状態だと判断された場合には、そのまま乗務することはできません。

アルコール検知器の使い方

アルコール検知器は、呼気に含まれるアルコールを検知し、その有無や濃度を数値・警告音・警告灯などで示す機器です。

具体的な操作方法は使用する機器によって異なるため、勤務先のルールや取扱説明書に従って使用します。

重要なのは、「道路交通法上の酒気帯び運転の数値基準を下回っていれば運転してよい」と自己判断しないことです。

アルコール検知器が反応した場合には、自分で運転の可否を判断せず、運行管理者などへ報告し、会社の指示に従いましょう。

なお、飲食物や口腔ケア用品などの影響で検知器が反応する場合もあります。そのような場合も自己判断せず、必要に応じて時間を空けて再測定するなど、勤務先の手順に従うことが大切です。

記録の保存方法と保存期間

アルコールチェックは、確認するだけで終わりではありません。

貨物自動車運送事業者では、点呼を行ったことや酒気帯びの有無などを記録し、点呼記録を1年間保存することが義務付けられています。

安全運転管理者制度の対象となる事業所でも、運転前後に行った酒気帯び確認の内容を記録し、1年間保存する必要があります。

記録方法は、法令で求められる内容を満たしていれば、書面や電磁的方法などが用いられます。

飲酒したお酒が翌日の運転に残らないための注意点

アルコールの分解にかかる時間には個人差があります。

「これだけの量なら○時間で抜ける」と決めつけることはできないため、翌日に運転業務がある場合は特に注意が必要です。

アルコールの分解速度には個人差がある

アルコールが体内からなくなるまでの時間は、飲酒量だけで決まるわけではありません。

体質や体格、体調などによっても違いがあり、同じ量のお酒を飲んだ場合でも、人によってアルコールが残る時間は異なります。

そのため、インターネット上の計算や「以前このくらい飲んでも大丈夫だった」という経験だけを基準に、運転できるかどうかを判断するのは避けましょう。

前日の飲酒で気をつけたいポイント

夜に飲酒したアルコールが、翌朝まで体内に残ることがあります。いわゆる「二日酔い運転」にも注意が必要です。

翌日に早朝から運転業務がある場合には、勤務時間を意識して飲酒について判断することが大切です。

特に「寝たから大丈夫」「数時間経ったから大丈夫」と考えず、翌日の運転に影響する可能性を考えて行動しましょう。

また、水を飲んだり入浴したりしたからといって、体内のアルコールが急速になくなるわけではありません。

体質による個人差を理解する

アルコールへの強さや分解能力には個人差があります。

「お酒に強いからアルコールが早く抜ける」と単純に判断することもできません。

自分の感覚ではなく、翌日の運転業務を優先して飲酒について判断することが重要です。

勤務前のアルコールチェックでアルコールが検知された場合は、隠したり自己判断したりせず、運行管理者などへ報告しましょう。

飲酒運転やアルコールチェック不備によるリスク

飲酒運転は、ドライバー本人だけでなく、勤務する会社や事故に巻き込まれた人にも重大な影響を及ぼします。

また、運送事業者には点呼や酒気帯び確認などの安全管理を適切に実施する責任があります。

ドライバー本人に科される罰則

道路交通法では、酒気を帯びて車両を運転することが禁止されています。

2026年9月現在、酒気帯び運転については、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています。

また、呼気中アルコール濃度によって、次の行政処分があります。

呼気中アルコール濃度 基礎点数 行政処分の目安
0.15mg/L以上0.25mg/L未満 13点 免許停止90日
0.25mg/L以上 25点 免許取消し・欠格期間2年

※免許停止・取消しの期間は、前歴や累積点数などによって異なる場合があります。

さらに、2026年7月21日施行の道路交通法改正により、酒酔い運転については、従来の「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」に加え、呼気中アルコール濃度0.5mg/L以上という数値基準も設けられています。

酒酔い運転の罰則は、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

なお、0.15mg/L未満であれば酒気を帯びて運転してよいという意味ではありません。数値にかかわらず、酒気を帯びた状態で運転することは禁止されています。

運送会社への行政処分

貨物自動車運送事業者には、運転者の点呼や酒気帯び確認など、安全な運行を確保するための管理が求められています。

事業者が必要な点呼を実施していなかった場合や、酒気を帯びた運転者を乗務させた場合などには、違反内容に応じて行政処分等の対象となる可能性があります。

ドライバー個人だけの問題ではなく、会社全体で飲酒運転を防止する体制を整えることが重要です。

職場での信頼を失うリスク

飲酒運転をすれば、刑事罰や行政処分だけでなく、勤務先の就業規則に基づく処分を受ける可能性もあります。

さらに、事故を起こした場合には、被害者や家族、勤務先、取引先など多くの人へ影響を及ぼします。

「少しくらいなら大丈夫」と考えず、運転業務があることを前提に日頃から飲酒について判断することが大切です。

運転業務がある人が飲酒について注意したいポイント

アルコールチェックへの対応に、性別による違いはありません。

女性ドライバーであっても男性ドライバーであっても、運転前に酒気を帯びていない状態を確保し、勤務先で定められたチェックを受ける必要があります。

翌日の勤務時間を確認する

トラックドライバーの勤務時間は、仕事内容や配送ルートによって異なります。

早朝から運転する日もあれば、夜間に運行する場合もあるため、飲酒する際は翌日の勤務開始時間を把握しておくことが重要です。

翌日に運転予定がある場合には、アルコールが残る可能性を十分に考慮しましょう。

「このくらいなら大丈夫」と自己判断しない

飲酒量や経過時間だけを基準に、運転できるかどうかを自己判断するのは危険です。

アルコールの分解速度には個人差があるため、過去の経験だけを頼りにすることも避けましょう。

また、アルコールチェックで反応があった場合には、隠したり再測定を繰り返して運転しようとしたりせず、勤務先のルールに従う必要があります。

不安がある場合は運行管理者などに相談する

「前日の飲酒が残っているかもしれない」「体調がいつもと違う」と感じた場合は、早めに運行管理者や職場の担当者へ相談しましょう。

安全に運転できるか不安がある状態で無理に乗務しないことが、自分自身と周囲の安全を守ることにつながります。

トラックドライバーという選択肢

アルコールチェックをはじめ、トラックドライバーには安全運転のために守るべきルールがあります。

一方で、物流は生活や企業活動を支える重要な仕事です。トラックドライバーへの転職を検討する際は、仕事内容だけでなく安全管理の体制についても確認しましょう。

給与や雇用条件は会社によって異なる

トラックドライバーの給与や雇用形態は、会社や運転する車両、配送距離、勤務時間などによって異なります。

求人を比較する際は給与額だけでなく、勤務時間や休日、残業、各種手当、配送エリアなどを総合的に確認することが大切です。

未経験から転職する場合に確認したいこと

未経験から応募できるトラックドライバー求人もありますが、必要な運転免許や研修内容は求人によって異なります。

応募する際は、次のようなポイントを確認しておきましょう。

  • 自分が保有している免許で運転できる車両か
  • 入社後の研修や同乗指導があるか
  • 免許取得支援制度があるか
  • 荷物の積み込み・荷降ろしがあるか
  • 勤務時間や配送エリアは自分に合っているか

「未経験歓迎」という言葉だけで判断せず、実際の教育体制や仕事内容を確認することが重要です。

子育てと両立したい場合に確認したいこと

子育てと仕事を両立したい場合は、求人ごとの勤務条件を具体的に確認しましょう。

特に、出勤・退勤時間、残業の有無、休日、泊まり運行の有無、急な休みへの対応などを確認しておくと、自分の生活に合った職場か判断しやすくなります。

同じトラックドライバーでも働き方は会社や配送形態によって大きく異なるため、自分に合った条件の求人を探すことが大切です。

トラックのアルコールチェックに関するよくある質問

前日にお酒を飲んでも運転できますか

前日に飲酒した場合でも、運転する時点で酒気を帯びていてはいけません。

アルコールが体内からなくなるまでの時間には個人差があるため、「○時間空ければ必ず大丈夫」と自己判断することは避けましょう。

勤務前のアルコールチェックでアルコールが検知された場合は運転せず、運行管理者などへ報告して指示に従ってください。

アルコール検知器が反応したらどうなりますか

アルコール検知器が反応した場合は、自分で「この数値なら大丈夫」と判断して運転してはいけません。

運行管理者などへ報告し、再確認を含め勤務先で定められた手順に従います。

道路交通法上の酒気帯び運転の基準値と、会社で行うアルコールチェックを同じものとして考えないことが重要です。

白ナンバーの事業者も対象ですか

はい。安全運転管理者の選任が必要な事業所では、業務で使用する白ナンバー車についても、運転前後の酒気帯び確認が必要です。

2022年4月1日から目視等による酒気帯び確認と記録の1年間保存が義務化され、2023年12月1日からはアルコール検知器を使用した確認も義務化されています。

安全運転管理者の選任が必要となるのは、原則として乗車定員11人以上の自動車を1台以上、またはその他の自動車を5台以上使用する事業所です。

なお、緑ナンバーなどの事業用トラックを使用する貨物自動車運送事業者については、これとは別に貨物自動車運送事業に関する点呼や酒気帯び確認のルールが定められています。

アルコールチェッカーは自分で用意しますか

事業用トラックを使用する運送事業者には、営業所ごとにアルコール検知器を備え、適切に管理・保守することが求められています。

また、遠隔地で乗務を開始・終了する場合には、携帯型のアルコール検知器を使用することがあります。

基本的には勤務先が定めた方法・機器を使用するため、自分の判断で市販の機器を用意すればよいというものではありません。

まとめ

本記事では、トラックドライバーのアルコールチェックについて解説しました。

  • 事業用トラックでは点呼時に目視等とアルコール検知器による酒気帯び確認が必要
  • 運送事業者のアルコール検知器使用は2011年5月1日から義務化されている
  • 一定台数以上の白ナンバー車を使用する事業所では、2022年4月から目視等による確認が義務化された
  • 白ナンバーの対象事業所では、2023年12月からアルコール検知器による確認も義務化された
  • 点呼や酒気帯び確認に関する記録は1年間保存する
  • アルコールの分解速度には個人差があり、「○時間空ければ大丈夫」と自己判断しない
  • アルコール検知器が反応した場合は、自分で運転可否を判断せず会社へ報告する
  • 0.15mg/L未満であっても、酒気を帯びた状態で運転することは禁止されている

トラックドライバーにとって、飲酒運転をしないことはもちろん、翌日の運転業務まで考えて飲酒について判断することも重要な安全管理の一つです。

転職先を選ぶ際にも、給与や勤務時間だけでなく、点呼や安全教育などの管理体制が整っているか確認してみましょう。

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