
タンクローリーのドライバーに興味はあるものの、「女性はどれくらいいるの?」「女性が少ない職場で浮いてしまわない?」と気になっていませんか。危険物を運ぶ仕事なので、資格や安全面に不安を感じる方も多いはずです。
タンクローリーは、手作業での荷物の積み下ろしが少なく、じつは女性にも向いている点が多い仕事です。女性の割合や必要な資格を知っておくと、挑戦するかどうかを判断しやすくなります。
この記事で分かることは、次のとおりです。
- タンクローリーを含むトラックドライバーの女性の割合
- タンクローリーの仕事内容と、女性に向いている理由
- タンクローリーのドライバーに必要な免許と資格
- 女性がタンクローリーのドライバーを目指すステップ
タンクローリーの仕事に興味がある女性に向けて、データと現場目線の両方からわかりやすく解説します。
目次
タンクローリーの女性ドライバーの割合
まずは、タンクローリーやトラックドライバー全体で、女性がどれくらい働いているのかを見ていきます。数字の見方の注意点もあわせて紹介します。
トラックドライバー全体の女性の割合
国土交通省が2018年ごろに公表した資料では、トラックドライバーに占める女性の割合は約2.5%とされています。トラックドライバーのおよそ40人に1人が女性という計算で、まだ少数派なのが現状です。
一方で、国土交通省は女性トラックドライバーの愛称を「トラガール」と名づけ、2014年ごろから女性の活躍を後押ししてきました。全日本トラック協会の資料をもとに、運転の仕事に占める女性の割合を4%台とするデータもあり、女性ドライバーは少しずつ増えている傾向です。
ただし、調査ごとに「どの職種を数えているか」が異なるため、数字をそのまま比べることはできません。割合はまだ低いものの、女性を受け入れる環境は年々広がっていると考えておくとよいでしょう。
タンクローリーに限った割合はどれくらい?
タンクローリーのドライバーだけにしぼった女性の割合は、国の統計では公表されていません。タンクローリーは危険物の資格や大型の免許が必要になることが多いため、トラックドライバー全体と比べても女性は少ない傾向があります。
しかし、女性が少ないということは、裏を返せば「女性の採用に力を入れたい会社が多い」ということでもあります。女性ドライバーを歓迎するタンクローリーの求人は、少しずつ増えてきています。
女性ドライバーが少ない理由
タンクローリーで女性ドライバーが少ないおもな理由は、次のとおりです。
- 大型免許や危険物の資格など、必要な資格が多い
- 「危険物を運ぶのはこわい」というイメージがある
- 早朝や夜間の運行がある職場もある
- 女性用のトイレや更衣室が整っていない職場もある
資格は入社後に会社の支援で取れる場合も多く、設備面も改善が進んでいます。「イメージだけで女性には無理」と決めつけず、実際の仕事内容を知ったうえで判断することが大切です。
タンクローリーの仕事内容と女性に向いている理由
タンクローリーのドライバーは、どんなものを運び、どんな作業をしているのでしょうか。ここでは、仕事内容と、女性に向いている理由を紹介します。
タンクローリーで運ぶもの
タンクローリーとは、液体や気体を、荷台のタンクに入れて運ぶ専用のトラックです。運ぶものによって、次のような種類があります。
| 運ぶもの | おもな届け先 | 特徴 |
|---|---|---|
| ガソリン・軽油・灯油 | ガソリンスタンド・工場 | 危険物の資格が必要。最も求人が多い |
| LPガスなどの高圧ガス | ガス充てん所・工場 | 高圧ガスに関する資格が必要 |
| 化学薬品 | 工場 | 運ぶ薬品によって資格や取り扱いが異なる |
| 食品(牛乳・食用油など) | 食品工場 | 危険物の資格が不要なことが多い |
同じタンクローリーでも、運ぶものによって必要な資格や仕事の進め方が変わります。まずは危険物の資格がいらない食品のタンクローリーから始める方法もあります。
1日の流れと作業内容
ガソリンなどを運ぶタンクローリーの、1日の流れの一例です。
| 時間 | 作業内容 |
|---|---|
| 6:00 | 出勤・点呼・アルコールチェック・日常点検 |
| 6:30 | 油槽所(燃料の基地)でタンクに積み込み |
| 8:00 | 1件目のガソリンスタンドで荷卸し |
| 9:00〜15:00 | 積み込みと荷卸しをくり返す(休憩をはさむ) |
| 15:30 | 営業所に戻り、車両点検・日報の作成 |
| 16:00 | 退勤 |
積み込みや荷卸しは、ホースをつないでバルブを操作する作業が中心です。積み込みや荷卸しの間は、車から離れずに作業を最後まで見守ることが決められています。こぼれや漏れがないかを確かめながら、手順どおりにていねいに進めます。
女性に向いている理由
タンクローリーの仕事が女性に向いているといわれる理由は、次のとおりです。
- 段ボールなどを手で積み下ろす作業がない
- 決められた手順をきちんと守る、ていねいさが求められる
- 地場の配送が多く、日帰りで働ける職場が多い
- 専門の資格が必要なぶん、給料が高めの傾向がある
タンクローリーの仕事では、力の強さよりも、手順を正確に守ることが大切です。細かい確認をおこたらない慎重さは、タンクローリーのドライバーにとって大きな強みになります。
タンクローリーのドライバーに必要な免許と資格
タンクローリーのドライバーになるには、運転免許に加えて、運ぶものに合った資格が必要です。ここでは、必要な免許と資格を整理します。
運転免許
タンクローリーは、大きさによって必要な運転免許が変わります。
| 免許の種類 | 運転できる車両総重量 | おもなタンクローリー |
|---|---|---|
| 準中型免許 | 3.5t以上7.5t未満 | 灯油を家庭や会社に届ける小型のローリー |
| 中型免許 | 7.5t以上11t未満 | 4t車クラスのローリー |
| 大型免許 | 11t以上 | ガソリンスタンドに燃料を運ぶ大型のローリー |
| けん引免許 | (けん引する車の重さによる) | トレーラー型の大型ローリー |
ガソリンスタンドへの燃料配送では、大型のタンクローリーを使うことが多くあります。求人によって必要な免許が大きく変わるため、応募前に必ず確認しましょう。
危険物取扱者の資格
ガソリンや灯油などの危険物を運ぶには、「危険物取扱者」という国家資格を持った人が乗る必要があります。危険物取扱者には、甲種・乙種・丙種の3つの種類があります。
- 乙種第4類(乙4):ガソリン・灯油・軽油などの引火性の液体を扱える。タンクローリーの求人で最も求められる
- 丙種:ガソリン・灯油・軽油など、決められた一部の危険物を扱える
- 甲種:すべての危険物を扱える。受験には条件がある
乙4は、誰でも受験でき、独学で合格を目指す人も多い資格です。入社後に会社の支援を受けて乙4を取るケースも多いため、資格がなくても応募できる求人を探してみましょう。
高圧ガスを運ぶ場合の資格
LPガスなどの高圧ガスを運ぶ場合は、「高圧ガス移動監視者」の講習を受けて修了証をもらう必要があります。運ぶガスの種類によっては、ほかの資格が必要になることもあります。
運転中は、運転免許証や危険物取扱者の免状、移動監視者の修了証、事故が起きたときの対処法が書かれた「イエローカード」を必ず持っておきます。資格証やイエローカードは、運行中にいつでも出せるよう携行することが義務です。
女性がタンクローリーのドライバーを目指すステップ
タンクローリーのドライバーは、未経験からでも段階をふんで目指せます。ここでは、具体的なステップと、安全に働くためのポイントを紹介します。
未経験から目指す流れ
未経験からタンクローリーのドライバーを目指す場合の流れは、次のとおりです。
- 乙4など、危険物取扱者の資格の勉強を始める
- 「資格取得支援あり」「未経験歓迎」のタンクローリーの求人を探す
- 入社後、先輩の横に乗る同乗研修で、積み込みや荷卸しの手順を覚える
- 小型のローリーで経験を積み、必要に応じて大型免許を取る
いきなり大型のタンクローリーを運転するのではなく、小型の車両から始めるのが一般的です。資格と経験を少しずつ積み重ねることで、未経験の女性でも安心してステップアップできます。
安全に働くために知っておきたいこと
タンクローリーは、普通のトラックとは運転の感覚が異なります。安全に働くために、次の点を覚えておきましょう。
- タンクの中の液体が揺れるため、急ブレーキ・急発進・急ハンドルをしない
- 重心が高く横転しやすいため、カーブでは十分にスピードを落とす
- 危険物を積んでいるときは、水底トンネルなど通行が禁止されている道を通らない
- 繁華街や人が多い場所はできるだけ避けて走る
- 駐車するときは住宅が密集した場所などを避け、やむを得ない場合を除いて車から離れない
タンクの中の液体は、ブレーキやカーブのたびに前後左右へ動き、車をゆさぶります。「急」のつく運転をしないことが、タンクローリーを安全に運転するための基本です。
女性が働きやすい職場の選び方
女性がタンクローリーのドライバーとして長く働くためには、職場選びが大切です。次の点をチェックしましょう。
- 女性ドライバーが実際に働いているか
- 女性用のトイレや更衣室があるか
- 資格や免許の取得を支援してくれるか
- 同乗研修の期間や内容がしっかりしているか
- 出勤時間と休日の目安がはっきりしているか
燃料配送の仕事は、早朝から始まることが多くあります。出勤時間が生活に合うかどうかは、面接のときに必ず確認しておきましょう。
タンクローリー以外も視野に入れたトラックドライバーという選択肢
タンクローリーのほかにも、女性が活躍できるトラックの仕事はたくさんあります。ここでは、トラックドライバーという仕事全体の魅力を紹介します。
収入と雇用の安定性
トラックドライバーは、物流を支える仕事として、どの地域でも安定した需要があります。ドライバー不足が続いているため、免許や資格がある人は職場を選びやすい傾向です。
大型免許や危険物の資格は、タンクローリー以外の仕事でも評価されます。資格を増やすほど選べる仕事が広がり、収入アップにもつながります。
未経験・女性でも始めやすい環境
最近は、女性ドライバーを積極的に採用する運送会社が増えています。荷物の積み下ろしを機械で行う職場や、女性専用の設備を整えた職場も珍しくありません。
研修や資格取得支援が整った会社を選べば、未経験の女性でも安心してトラックドライバーを目指せます。
家庭やプライベートと両立しやすい働き方
トラックドライバーの仕事には、日勤のみの地場配送や、短時間のパート勤務など、さまざまな働き方があります。子育て中の方は、日帰りで休日が決まっている求人を選ぶと、家庭との両立がしやすくなります。
女性向けのトラックドライバー求人を探すなら、「トラガール」をぜひ活用してください。自分の生活に合う働き方を見つけられるのが、トラックドライバーという仕事の魅力です。
タンクローリーの女性ドライバーに関するよくある質問
最後に、タンクローリーのドライバーを目指す女性から多く寄せられる疑問にお答えします。
危険物を運ぶのはこわくないですか?
危険物を運ぶ仕事なので、最初は不安に感じる人も多いです。ただし、決められた手順と安全のルールを守れば、事故を防げるしくみが整っています。研修で手順をしっかり身につければ、不安は少しずつ自信に変わっていきます。
タンクローリーの仕事に力は必要ですか?
段ボールなどを手で積み下ろす作業はありません。ただし、ホースをつないだり、バルブを回したりする作業では、ある程度の力を使います。力の強さよりも、手順を正確に守ることのほうが大切な仕事です。
乙4の資格は難しいですか?
乙4は、法令・物理化学・危険物の性質の3つの科目を学ぶ試験です。毎年多くの人が受験しており、参考書や問題集も充実しています。計画的に勉強すれば、独学でも合格を目指せる資格です。
タンクローリーの給料は高いですか?
タンクローリーのドライバーは、危険物の資格や大型免許が必要なぶん、一般的なトラックドライバーより給料が高めの傾向があります。資格手当がつく会社も多いため、求人を比べるときは手当の内容も確認しましょう。
まとめ
タンクローリーは、液体や気体を運ぶ専門性の高いトラックです。最後に、記事のポイントを振り返ります。
- トラックドライバーに占める女性の割合は約2.5%とされ、まだ少数派
- タンクローリーに限った割合の統計はないが、女性を歓迎する求人は増えている
- 手作業の積み下ろしがなく、手順を守るていねいさが求められる仕事
- 運転免許に加え、乙4などの危険物取扱者の資格が必要になることが多い
- 小型の車両や資格取得支援のある会社から始めると、未経験でも挑戦しやすい
女性が少ない今だからこそ、タンクローリーの女性ドライバーは多くの会社から求められています。トラックドライバーへの転職を検討中なら、ぜひ「トラガール」をご覧ください。


