
「トラックの仕事で聞く『荷待ち時間』とは、どんな時間なの?」と、気になって調べている方もいるのではないでしょうか。待っているだけの時間が長いと聞くと、仕事として大変そうに感じますよね。
先にお伝えすると、荷待ち時間とは、荷物の積み込みや荷降ろしが始まるまで、トラックドライバーが待機している時間のことです。休憩ではなく、労働時間としてあつかわれます。
この記事では、荷待ち時間の意味や発生する理由に加えて、国の取り組みや働き方への影響も解説します。この記事でわかることは、次のとおりです。
- トラックの「荷待ち時間」の意味と、休憩との違い
- 荷待ち時間が発生する主な理由
- 荷待ち時間を減らすための国の取り組みとルール
- 女性が荷待ち時間の少ない職場を選ぶときのポイント
言葉の意味から、仕事選びのポイントまで、順番に見ていきましょう。
目次
荷待ち時間とは?トラックドライバーの待機時間
まずは、荷待ち時間という言葉の意味と、休憩との違いを整理します。働く時間の数え方に関わる大切なポイントです。
荷物の作業を待っている時間
荷待ち時間とは、配送先や倉庫に着いたあと、荷物の積み込みや荷降ろしの順番を待っている時間のことです。たとえば、倉庫の受付で順番待ちをしたり、ほかのトラックの作業が終わるまで待機したりする時間が当てはまります。いつ呼ばれるかわからない状態で待っているため、自由に過ごせる時間ではありません。
荷待ち時間は休憩ではなく労働時間
荷待ち時間は、「手待ち時間」とも呼ばれ、労働時間としてあつかわれます。トラックドライバーの働く時間を定めた「改善基準告示」でも、手待ち時間は拘束時間にふくまれます。拘束時間とは、出勤してから退勤するまでの、運転・荷物の作業・待ち時間・休憩をすべてふくむ時間です。荷待ちの時間を、休憩の代わりにすることはできません。
荷待ち時間・休憩・荷役の違い
| 時間の種類 | 内容 | あつかい |
|---|---|---|
| 荷待ち時間 | 荷物の作業が始まるまで待機する時間 | 労働時間 |
| 荷役(にやく)時間 | 荷物の積み込みや荷降ろしをする時間 | 労働時間 |
| 休憩時間 | 仕事から離れて自由に過ごせる時間 | 労働時間にふくまれない |
荷役とは、荷物を積んだり降ろしたりする作業のことです。表のとおり、荷待ちと荷役はどちらも労働時間です。休憩は、それらとは別に確保する必要があります。
荷待ち時間が発生する主な理由
荷待ち時間は、トラックドライバーの努力だけでは減らしにくい問題です。なぜ発生するのか、主な理由を見ていきましょう。
荷待ちが起きやすい場面
- 多くのトラックが同じ時間帯に倉庫へ集まり、受付や作業の順番待ちになる
- 荷物の準備ができておらず、出荷の作業が終わるまで待つ
- 荷降ろしの場所が少なく、ほかのトラックの作業が終わるのを待つ
- 配送先から、指定された時間まで待つよう求められる
このように、荷待ち時間の多くは、荷主や配送先の事情で発生します。荷待ち時間は、物流業界全体で解決が求められている課題です。
荷待ち時間がドライバーに与える影響
荷待ち時間が長くなると、そのぶん拘束時間がのび、帰る時間がおそくなります。待機中も気を抜けないため、疲れがたまりやすくなる点にも注意が必要です。待ち時間のあとに運転するときは、疲れや眠気がないかを確かめ、必要なら休憩を取ってから出発します。
待機するときのマナーと注意点
荷待ちのときは、倉庫や配送先が指定した場所でトラックを停めて待ちます。道路での路上駐車や、周りの迷惑になる場所での待機は避けましょう。エンジンをかけたままの長いアイドリングも、条例で制限している自治体があります。待機の場所や方法は、会社や配送先のルールにしたがいます。
荷待ち時間を減らすための国の取り組み
国は、トラックドライバーの働き方を改善するため、荷待ち時間を減らす取り組みを進めています。主なルールと取り組みを紹介します。
荷待ち時間の記録
車両総重量8t以上、または最大積載量5t以上のトラックでは、荷主の都合による荷待ちが合計30分以上になった場合、乗務記録に記録することが求められています。記録する内容は、到着した時刻や、待機を始めた時刻と終えた時刻などです。記録を残すことで、どこで、どのくらい待っているのかが見えるようになります。
荷主にも荷待ち時間を減らす努力が求められている
2025年4月からは、法律の改正により、すべての荷主に、荷待ち時間や荷役の時間を短くする努力義務が課されました。2026年4月からは、一定以上の量の荷物をあつかう大きな荷主に、計画の作成と国への報告が義務づけられています。政府のガイドラインでは、荷待ちと荷役の時間を、1回の運行であわせて2時間以内にする目標が示されています。
予約システムなどの工夫
倉庫に着く時間を事前に予約する「トラック予約受付システム」を取り入れる会社もふえています。予約した時間に到着すれば、長く待たずに荷物の作業を始められます。荷待ち時間を減らす仕組みは、少しずつ広がっています。
トラックドライバーという選択肢
荷待ち時間の問題が見直されるなど、トラックドライバーの働く環境は改善が進んでいます。ここでは、女性がトラックドライバーとして働く魅力と、職場の選び方を紹介します。
女性が働きやすい職場がふえている
国土交通省は「トラガール促進プロジェクト」を進め、女性が働きやすい環境づくりを後押ししています。女性専用の休憩室やトイレを整える会社もふえてきました。荷待ちのときに使えるトイレの場所も、職場選びで確認しておきたいポイントです。
荷待ち時間の少ない職場を選ぶポイント
- 面接で、1日の流れと荷待ち時間の目安を聞く
- 配送先が決まったルート配送など、予定が立てやすい仕事を選ぶ
- 荷待ち時間の記録や、荷主との改善の取り組みがあるかを確認する
- 荷待ちの時間も含めて、給料が正しく計算されているかを確認する
荷待ち時間について具体的に答えてくれる会社は、ドライバーの働き方を大切にしている会社といえます。入社前に疑問を解消しておくと、働き始めてからの不安を減らせます。
未経験から始めるときの免許の確認
運転できる車の大きさは、免許を取った時期によって変わります。たとえば、2017年3月12日以降に取得した普通免許では、車両総重量3.5t未満の車まで運転できます。応募の前に、自分の免許証で区分を確認しておきましょう。
荷待ち時間に関するよくある質問
最後に、トラックの荷待ち時間について、よくある質問にお答えします。
荷待ち時間にも給料は出ますか
荷待ち時間は労働時間のため、給料の対象になります。給料の計算方法は会社によって異なるため、応募前に確認しましょう。
荷待ちの間に休憩を取ったことにしてもよいですか
できません。いつ呼ばれるかわからない待機の時間は、休憩とはあつかわれません。休憩は、荷待ちとは別に取る必要があります。
荷待ち時間が長いときは、どうすればよいですか
待ち時間が長くなりそうなときは、会社の運行管理者に連絡しましょう。予定の変更や、荷主との調整を会社が行います。
荷待ち時間が短い仕事はありますか
配送先が決まったルート配送や、予約システムを使う倉庫の仕事などは、待ち時間が比較的読みやすい傾向があります。仕事の内容によって異なるため、面接で確認しましょう。
まとめ
トラックの荷待ち時間について、ふり返ります。
- 荷待ち時間は、荷物の作業が始まるまで待機する時間
- 休憩ではなく労働時間で、拘束時間にふくまれる
- 多くは荷主や配送先の事情で発生し、業界全体の課題になっている
- 2025年4月から、荷主にも荷待ち時間を減らす努力義務が課された
- 面接で荷待ち時間の目安を聞き、自分に合う職場を選ぶ
働く時間のルールを正しく知ることは、自分に合う職場を選ぶための土台です。トラックドライバーへの転職を検討中なら、ぜひ「トラガール」をご覧ください。


