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ドライバー用語解説仕事・職場環境
保冷車と冷凍車の違いとは?しくみ・温度・運べる荷物とドライバーの仕事内容を比較解説
保冷車と冷凍車の違いとは?しくみ・温度・運べる荷物とドライバーの仕事内容を比較解説

トラックの求人を見ていると、「保冷車」と「冷凍車」という言葉が出てきて、違いがよくわからないと感じたことはありませんか。「見た目は同じ白い箱なのに、何が違うの?」「どちらの仕事が自分に合うの?」と迷っている方も多いはずです。

保冷車と冷凍車は、見た目が似ていても、しくみや運べる荷物、ドライバーの仕事内容が大きく異なります。違いを知っておくと、求人選びや仕事の準備がぐっと楽になります。

この記事で分かることは、次のとおりです。

  • 保冷車と冷凍車のしくみの違い
  • 温度・運べる荷物・使い方の違い
  • 保冷車と冷凍車、それぞれのドライバーの仕事内容
  • 自分に合うのはどちらか、求人選びのポイント

保冷車や冷凍車の仕事に興味がある方に向けて、現場目線でわかりやすく解説します。

保冷車と冷凍車の違いとは?しくみを比較

まずは、保冷車と冷凍車がそれぞれどんなしくみのトラックなのかを整理します。いちばん大きな違いは、荷台を冷やす「冷凍機」があるかどうかです。

保冷車は「冷たさを保つ」トラック

保冷車とは、荷台の壁に断熱材を入れて、外の熱が伝わりにくくしたトラックです。冷凍機はついていないため、荷台を冷やすことはできません。

保冷車は、魔法びんやクーラーボックスのようなしくみです。あらかじめ冷やした荷物を積み、その冷たさをできるだけ長く保ちながら運びます。保冷の力を高めるために、ドライアイスや保冷剤をいっしょに積むこともあります。

保冷車は「冷やす」のではなく、「冷たさを保つ」ためのトラックだと覚えておくとわかりやすいです。

冷凍車は「冷やしながら運ぶ」トラック

冷凍車とは、断熱材の入った荷台に冷凍機をつけ、荷台を冷やしながら運ぶトラックです。家庭の冷凍庫と同じように、設定した温度を保ち続けることができます。

冷凍車の冷凍機には、おもに次の2つのタイプがあります。

  • エンジン直結式:トラックのエンジンの力で冷凍機を動かすタイプ。小型〜中型の冷凍車に多い
  • サブエンジン式:冷凍機専用のエンジンを積んだタイプ。大型の冷凍車に多い

エンジン直結式は、トラックのエンジンを止めると冷凍機も止まってしまいます。冷凍車の種類によって冷やし方が異なるため、自分が乗る車のしくみを研修でしっかり確認しておきましょう。

保冷車と冷凍車の違いを一覧で比較

保冷車と冷凍車の主な違いを、表にまとめました。

項目 保冷車 冷凍車
冷凍機 なし(断熱材のみ) あり
荷台の温度 積んだ荷物の温度を保つだけ。時間がたつと上がる 設定した温度を保ち続けられる
保てる時間 短時間の配送向き 長時間・長距離の配送もできる
運べる荷物 青果・飲料・冷やした食品など 冷凍食品・アイスクリーム・肉や魚など
車体の重さ 比較的軽い 冷凍機のぶん重い
車両の価格 比較的安い 高い

温度を「保つ」だけの保冷車に対し、冷凍車は温度を「つくって保つ」ことができるのが最大の違いです。冷凍車は、設定を変えれば冷蔵の温度でも使えるため、より幅広い荷物に対応できます。

保冷車と冷凍車の使い分け

保冷車と冷凍車は、運ぶ荷物や距離によって使い分けられています。ここでは、それぞれが活躍する場面を紹介します。

保冷車が向いている荷物と場面

保冷車が活躍するのは、次のような場面です。

  • 市場から近くのスーパーへ、野菜や果物を運ぶ
  • 飲料や菓子など、高温をさけたい荷物を運ぶ
  • 工場で冷やしたお弁当や総菜を、近くの店舗へ短時間で届ける
  • 冷凍車で運んだ荷物を、近くの届け先へ小分けにして運ぶ

保冷車は、荷物が冷えた状態で積まれることが前提です。近い距離を短時間で配送し、温度の変化が小さくてすむ場面に向いているのが保冷車です。夏場や長い時間の配送では、ドライアイスなどを使って温度を保つ工夫が必要になります。

冷凍車が向いている荷物と場面

冷凍車が活躍するのは、次のような場面です。

  • 冷凍食品やアイスクリームを、物流センターからスーパーやコンビニへ運ぶ
  • 冷凍の肉や魚を、港や工場から全国へ運ぶ
  • 温度管理が厳しい医薬品などを運ぶ
  • 冷凍と冷蔵の荷物を、荷台を仕切って同時に運ぶ

冷凍車は、マイナスの温度を保ちながら長い距離を運べます。品質を守るために温度を厳しく管理する必要がある荷物は、冷凍車の出番です。

見分け方のポイント

保冷車と冷凍車は、どちらも白い箱型の荷台が多く、ぱっと見ただけでは区別しにくいトラックです。見分けるポイントは、荷台の前の上部です。

冷凍車には、荷台の前の上部(運転席の屋根の上あたり)に、冷凍機の大きな装置がついています。荷台の前に四角い機械がついていれば冷凍車、ついていなければ保冷車と考えるとわかりやすいです。ただし、冷凍機が荷台の下についているタイプもあります。

保冷車と冷凍車のドライバーの仕事内容の違い

保冷車と冷凍車では、ドライバーの仕事の進め方にも違いがあります。ここでは、それぞれの仕事内容と、共通する大切なポイントを紹介します。

保冷車ドライバーの仕事

保冷車ドライバーのおもな仕事は、次のとおりです。

  • 出勤後の点呼・アルコールチェックと車両の日常点検
  • 冷えた荷物を、すばやく荷台に積み込む
  • 必要に応じて、ドライアイスや保冷剤を荷台に入れる
  • 近くの届け先を順番に回り、荷物を届ける

保冷車は荷台を冷やせないため、荷物の温度が上がる前に届けることが大切です。保冷車の仕事では、扉を開ける時間を短くして、冷たさを逃がさない工夫が欠かせません。ドライアイスを扱うときは、素手でさわらず、換気にも注意しましょう。

冷凍車ドライバーの仕事

冷凍車ドライバーのおもな仕事は、次のとおりです。

  • 出勤後の点呼・アルコールチェックと車両の日常点検
  • 冷凍機を動かして、荷台をあらかじめ冷やす(予冷)
  • 荷台が決められた温度になってから、荷物を積み込む
  • 停車したときに、荷台の温度表示を確認する
  • 温度の記録を確認し、異常があれば会社へ報告する

冷凍車の仕事では、荷台の温度を決められた範囲に保ち続けることが求められます。予冷や温度の確認など、決められた手順をきちんと守ることが冷凍車ドライバーの基本です。温度表示の確認は、運転中ではなく、安全な場所に停めたときに行います。

どちらにも共通する大切なポイント

保冷車でも冷凍車でも、ドライバーが気をつけることには共通点があります。

  • 荷物は、冷たい空気が回るようにすき間をあけつつ、走行中に荷崩れしないようラッシングベルトや仕切りでしっかり固定して積む
  • 扉はこまめに閉め、開けている時間を短くする
  • 荷台の中は床がぬれて滑りやすいため、足元に注意する
  • 荷台から降りるときは飛び降りず、ステップや手すりを使う

冷たい荷台と外を何度も行き来するため、体が冷えやすくなります。防寒着を正しく使い、体調の変化を感じたら早めに会社に伝えましょう。また、冷凍機を動かすためにエンジンをかけたまま停車する場合は、地域のアイドリングに関するルールを守ることも大切です。

保冷車と冷凍車、自分に合うのはどっち?

保冷車と冷凍車、どちらの仕事を選ぶべきか迷う方もいるはずです。ここでは、それぞれに向いている人と、求人選びのポイントを紹介します。

保冷車の仕事が向いている人

保冷車の仕事が向いているのは、次のような人です。

  • 近くの届け先を回る、日帰りの仕事がしたい人
  • てきぱきと動いて、テンポよく仕事を進めるのが得意な人
  • まずは温度管理がシンプルな仕事から始めたい人

保冷車は、冷凍機の操作がないぶん、仕事の流れがシンプルです。温度管理の仕事に初めて挑戦する人にとって、保冷車は始めやすい選択肢です。

冷凍車の仕事が向いている人

冷凍車の仕事が向いているのは、次のような人です。

  • 決められた手順をきちんと守れる人
  • 温度管理という専門的なスキルを身につけたい人
  • 寒い環境での作業が苦にならない人

冷凍車の温度管理のスキルは、食品や医薬品など、さまざまな仕事で評価されます。専門性を高めて長く活躍したい人には、冷凍車の仕事がおすすめです。

必要な免許と求人選びのポイント

保冷車も冷凍車も、運転に必要な免許は車の大きさで決まります。ただし、冷凍車は冷凍機のぶん車体が重くなるため、同じ大きさの保冷車より上の免許が必要になる場合があります。

免許の種類 運転できる車両総重量 運転できる最大積載量
普通免許(2017年3月12日以降に取得) 3.5t未満 2t未満
準中型免許 7.5t未満 4.5t未満
中型免許 11t未満 6.5t未満

求人を見るときは、使う車両の種類と大きさ、扱う荷物の温度帯、手で積み下ろす荷物の量を確認しましょう。必要な免許は車検証の車両総重量と最大積載量で決まるため、応募前に必ず確かめることが大切です。

保冷車・冷凍車から広がるトラックドライバーという選択肢

保冷車や冷凍車で身につけたスキルは、ほかのトラックの仕事でも活かせます。ここでは、トラックドライバーという仕事全体の魅力を紹介します。

収入と雇用の安定性

トラックドライバーは、物流を支える仕事として、どの地域でも安定した需要があります。とくに食品の物流は、毎日の暮らしに欠かせないため、仕事がなくなりにくい分野です。

免許を取って大きな車を運転できるようになると、収入アップにもつながります。保冷車から冷凍車へ、小型から大型へとステップアップすることで、キャリアの幅が広がります。

未経験・女性でも始めやすい環境

最近は、女性ドライバーを積極的に採用する運送会社が増えています。カゴ台車で荷物を運ぶ職場や、女性専用の設備を整えた職場も珍しくありません。

研修や免許取得支援が整った会社を選べば、未経験の方でも安心してトラックドライバーを目指せます。

ライフスタイルに合わせて選べる働き方

トラックドライバーの仕事には、日勤のみの地場配送や、短時間のパート勤務など、さまざまな働き方があります。子育て中の方は、日帰りで休日が決まっている求人を選ぶと、家庭との両立がしやすくなります。

女性向けのトラックドライバー求人を探すなら、「トラガール」をぜひ活用してください。自分の生活に合う働き方を見つけられるのが、トラックドライバーという仕事の魅力です。

保冷車と冷凍車の違いに関するよくある質問

最後に、保冷車と冷凍車の違いについて多く寄せられる疑問にお答えします。

保冷車で冷凍食品を運べますか?

短い距離や時間であれば、ドライアイスなどを使って冷凍食品を運ぶこともあります。ただし、保冷車は荷台を冷やせないため、時間がたつと温度が上がります。冷凍食品を長い時間かけて運ぶ場合は、冷凍車を使うのが基本です。

冷凍車と冷蔵車は違うのですか?

冷蔵車は、冷凍機で荷台を0℃前後から10℃くらいに保つトラックです。冷凍車は、マイナスの温度まで冷やせるトラックを指します。多くの冷凍車は設定を変えれば冷蔵の温度でも使えるため、冷凍車と冷蔵車をまとめて「冷凍冷蔵車」と呼ぶこともあります。

保冷車と冷凍車、どちらの仕事がきついですか?

保冷車は、温度が上がる前に届けるため、スピード感のある作業が求められます。冷凍車は、寒い荷台での作業や、温度管理の手順を守る細かさが求められます。きつさの感じ方は人によって違うため、作業の内容を見たうえで自分に合うほうを選びましょう。

保冷車や冷凍車の運転に特別な資格は必要ですか?

保冷車や冷凍車の運転に、運転免許以外の特別な資格は必要ありません。温度管理の知識は、入社後の研修で身につけられます。ただし、車の重さによって必要な免許が変わるため、免許の区分には注意しましょう。

まとめ

保冷車と冷凍車は、見た目が似ていても、しくみや役割が大きく異なるトラックです。最後に、記事のポイントを振り返ります。

  • 保冷車は断熱材で「冷たさを保つ」トラックで、冷凍機はついていない
  • 冷凍車は冷凍機で「冷やしながら運ぶ」トラックで、長時間・長距離の配送もできる
  • 保冷車は近距離の青果や飲料、冷凍車は冷凍食品や肉・魚などに使われる
  • 冷凍車は車体が重くなるため、必要な免許の区分に注意する
  • 温度管理を始めたい人は保冷車、専門性を高めたい人は冷凍車が向いている

保冷車と冷凍車の違いを知っておけば、自分に合う仕事を自信を持って選べます。トラックドライバーへの転職を検討中なら、ぜひ「トラガール」をご覧ください。