Guides
お役立ち情報

未経験からの転職、資格取得、働き方の選び方まで。
トラガールとして活躍するために知っておきたい情報を、わかりやすくまとめています。
ドライバー用語解説
女性ドライバー向け|フェリーの特例とは何か、休息制度を丁寧に詳しく分かりやすく解説
女性ドライバー向け|フェリーの特例とは何か、休息制度を丁寧に詳しく分かりやすく解説

トラックドライバーの求人票や運行管理の話の中で「フェリーの特例」という言葉を耳にして、具体的にどんな制度なのか気になった経験はないでしょうか。「フェリーの特例」は、トラックドライバーの労働時間に関する法令上の重要な制度です。本記事では、以下の内容を分かりやすく解説します。

  • 「フェリーの特例」の基本的な意味と制度の背景
  • フェリー特例の具体的なルール
  • フェリー特例のメリット
  • 長距離輸送でフェリーを利用する際の注意点
  • トラックドライバーとして働く際の心構え

「フェリーの特例」とは

「フェリーの特例」とは、厚生労働省が定める「改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)」の中で、フェリーに乗船した際の休息期間の扱いを定めた規定です。フェリーに乗船している時間は、原則として休息期間として取り扱われる点が、この特例の中心的な内容です。

改善基準告示における休息期間の特例

改善基準告示は、トラック運転者の拘束時間や休息期間などの基準を定めた厚生労働大臣告示です。この告示の中で、運行の途中にフェリーへ乗船する場合の取り扱いについて、特別なルールが設けられています。

フェリー乗船時間が休息期間として扱われる理由

フェリーに乗船している間は、ドライバーは運転業務から離れ、船内で体を休められる状態にあります。こうした実態を踏まえ、フェリー乗船時間を休息期間として扱うことで、拘束時間の計算上も適切に反映できるようにされています。

2015年の制度変更の経緯

もともとの規定では、フェリー乗船時間のうち2時間を拘束時間、残りを休息期間として扱う取り決めでした。しかし、フェリー会社のサービス拡大により、乗船時間を実質的にすべて休息にあてられる状況が生まれたことから、労使合意を経て通達が見直されました。厚生労働省は通達を改正し、平成27年(2015年)9月1日から、トラックドライバーに限りフェリー乗船時間を原則すべて休息時間として取り扱う運用に変更しています。

フェリー特例の具体的なルール

フェリー特例には、乗船時間の長さによって異なる具体的なルールが定められています。

原則としてすべて休息期間として取り扱う

現在の運用では、フェリー乗船時間は原則としてそのすべてが休息期間として扱われます。運行の途中でフェリーに乗船する場合、乗船時間は1日の休息期間から差し引くことができる仕組みです。

乗船時間が8時間未満の場合の減算ルール

ただし、減算後の休息期間は、2人乗務の場合を除き、フェリー下船時刻から勤務終了時刻までの時間の2分の1を下回ってはならないという制限があります。乗船時間が8時間未満の場合は、この計算方法を踏まえた休息期間の確保が必要です。

乗船時間が8時間を超える場合の扱い

フェリーの乗船時間が8時間を超える場合は、原則としてフェリー下船時刻から次の勤務が開始される扱いとなります。この場合、下船後は新たな勤務としてカウントされるため、前述の減算ルールを意識する必要がなくなる場面もあります。なお、2人乗務の場合は4時間、隔日勤務の場合は20時間を超えるときも同様の扱いとされています。

フェリー特例のメリット

フェリー特例が設けられていることで、運送会社やドライバーにはいくつかのメリットが生まれています。

運転に余裕を持たせられる

連続運転による疲労を避けるため、フェリー下船直後に休息時間を確保する必要が生じる場合がありますが、フェリー特例によってこうした調整がしやすくなっています。時間に余裕を持った運転計画を立てやすくなる点は、安全運行にもつながるメリットです。

月間拘束時間の上限を守りやすくなる

フェリー乗船時間が休息期間として扱われることで、これまで拘束時間として計算されていた時間が休息時間側に振り分けられます。その結果、改善基準告示で定められた月間の拘束時間の上限を守りやすくなるという効果があります。

フェリー利用がしやすくなった背景

この特例により、北海道や九州をはじめとする長距離輸送でフェリーが利用しやすくなったとされています。運送業界だけでなく、旅客船業界にとってもプラスの変化として受け止められています。

長距離輸送でフェリーを利用する際の注意点

フェリー特例を正しく活用するためには、実務上のいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

運行計画への組み込み方

フェリーの乗船時間や出発・到着時刻を踏まえたうえで、拘束時間と休息期間のバランスが基準を満たすよう運行計画を立てる必要があります。運行管理者と連携しながら計画を組むことが重要です。

休息期間の確保を怠らないこと

フェリー特例はあくまで休息期間の計算方法に関する規定であり、実際の体調管理やしっかりとした休息を取ることの重要性は変わりません。制度上の扱いに頼りすぎず、無理のない運行を心がけることが大切です。

運行管理者との連携

フェリー特例の計算は複雑に感じられる部分もあるため、運行管理者としっかり連携し、疑問があれば早めに確認する姿勢が求められます。会社によっては、運行管理システムを活用して計算をサポートしている場合もあります。

トラックドライバーという選択肢

「フェリーの特例」のような法令知識を身につけていくことも、トラックドライバーという仕事の専門性の一つです。女性にとっても、安心して長く働ける環境を選ぶための大切な視点になります。

法令知識が身につく仕事の面白さ

拘束時間や休息期間に関するルールを理解しておくことは、自分自身の働き方を守るうえでも役立ちます。制度を正しく知ることが、安心して働き続けるための土台になります。

未経験からの転職のしやすさ

未経験者向けの研修制度を整えている運送会社は少なくありません。入社後に法令知識や運行の基本から教えてもらえる会社を選べば、無理なくスキルを身につけられます。

子育てとの両立

日勤中心のシフトや、配達エリアが固定された求人を選べば、子育て中の女性でも働き方を調整しやすくなります。「トラガール」では、こうした条件で探せる求人情報を数多く掲載しています。

「フェリーの特例」に関するよくある質問

フェリー特例はすべての運送会社で使えるのか

フェリー特例は改善基準告示に基づく制度のため、フェリーを利用する運行であれば基本的に適用されます。ただし、実際の運用は会社の運行管理体制によって異なる場合があるため、就業先での運用方法を確認することが大切です。

フェリー乗船中は完全に休めるのか

制度上は休息期間として扱われますが、実際にどの程度体を休められるかは、船内の設備や個人の状況によって異なります。制度上の扱いと、実際の休息の質は分けて考える必要があります。

フェリー特例と2024年の改善基準告示改正の関係は

2024年4月から改善基準告示自体が改正され、拘束時間の上限などが見直されています。フェリー特例の基本的な枠組みは維持されていますが、告示全体の改正内容と合わせて理解しておくことが望ましいとされています。

未経験でも法令知識は身につけられるか

研修制度が整った会社であれば、未経験からでも法令知識を段階的に学んでいけます。運行管理者からの説明を受けながら、少しずつ理解を深めていくことが大切です。

まとめ

「フェリーの特例」について、要点を振り返ります。

  • フェリーの特例は、改善基準告示に基づくフェリー乗船時間の休息期間としての取り扱いである
  • 2015年9月から、トラックドライバーに限り乗船時間を原則すべて休息期間として扱う運用に変わった
  • 乗船時間が8時間未満か8時間を超えるかで、具体的な取り扱いが異なる
  • フェリー特例により、月間拘束時間の上限を守りやすくなるメリットがある
  • 制度を正しく理解することは、安心して長く働き続けるための大切な知識である

法令知識を身につけながら安心して働ける環境を選ぶことも、長く続けるための大切なポイントです。トラックドライバーへの転職を検討中なら、ぜひ「トラガール」をご覧ください。