
「持ち出し中って、いま荷物はどこにあるの?」と気になっていませんか。追跡サービスを開いたときに目にする言葉ですが、意味がわかりにくいと感じる方は少なくありません。ドライバーとして働き始めた方にとっても、現場で毎日使う言葉です。同じ「持ち出し」でも、まったく別の意味で使われる場面もあります。
そこで今回は、運送業界で使われる「持ち出し」について整理しました。
- 持ち出しの意味と、荷物が置かれている状態
- 追跡サービスのステータスと宅配3社の表記の違い
- 持ち出しと持ち戻りの違い
- ドライバーから見た持ち出し作業の流れ
- 荷物が届かないときの確認先
- 費用を自己負担するという、もうひとつの意味
最後まで読めば、持ち出しという言葉に迷わなくなります。荷物を待つ側としても、働く側としても役立つ内容です。
目次
持ち出しとは?ドライバーが荷物を積んで配達に出ている状態
持ち出しは、宅配の現場で日常的に使われる言葉です。まずは意味と、どんな状態を指すのかを確認していきましょう。
持ち出しの意味と読み方
持ち出しとは、配達のためにドライバーが荷物を車に積んで出ている状態を指します。読み方は「もちだし」です。文字どおり、営業所やセンターから荷物を持ち出しているという意味になります。
この状態にある荷物は、すでに担当のドライバーの手元にあります。営業所の棚に置かれているわけではなく、配達のトラックに積まれて移動している最中です。
追跡サービスが普及する前は、荷物の場所を知るには電話で問い合わせるしかありませんでした。そのとき「今ドライバーが持ち出し中です」と伝えられる場面が多く、言葉として定着しました。
「持ち出し中」が示す荷物の状態
持ち出し中と表示されていれば、その日のうちに配達される見込みが高い状態です。地域を担当するドライバーが荷物を積んでいるため、受け取る側が不在でなければ届きます。
ただし、必ず届くと決まっているわけではありません。次のような事情で、翌日以降になる場合があります。
- 受取人が不在で持ち帰りになった
- 渋滞や事故で配達が遅れた
- 荷物の量が多く、その日のうちに回りきれなかった
- 悪天候や災害で配達が中止になった
時間指定をしている場合、その時間帯に合わせて配達されます。午前中に持ち出しの表示が出ていても、指定が夕方なら到着はその時間です。
センターへ運ぶ工程は持ち出しに含まれない
発送元からセンターへ荷物を運ぶ工程は、持ち出しとは呼びません。持ち出しという言葉が使われるのは、あくまで配達先へ向かう段階です。集荷して営業所へ持ち帰る動きは、別の工程として扱われます。
荷物は、集荷されてから複数の拠点を通過します。その途中の輸送は「輸送中」や「中継」と表示されるのが一般的です。最後に配達を担当するドライバーの車に積まれた時点で、持ち出しになります。
言い換えれば、持ち出しは配達までの最後の工程です。この表示が出れば、荷物は目的地のすぐ近くまで来ていると考えて差し支えありません。
追跡サービスで見る荷物の流れと持ち出しの位置づけ
持ち出しの位置づけは、荷物全体の流れの中で見るとわかりやすくなります。順番に確認していきましょう。
引受から配達完了までのステータス
荷物は、いくつかの段階を経て届けられます。まず発送元から荷物を受け取る「引受」があり、その後、方面ごとに仕分けられて運ばれていきます。
おおまかな流れは次のとおりです。
- 引受:センターで受付処理が完了した状態
- 発送:受け付けた支店から送り出された状態
- 中継:途中の拠点を通過している状態
- 到着:配達先を管轄する拠点に届いた状態
- 持ち出し:担当ドライバーが積んで配達に出た状態
- 配達完了:受取人へ引き渡しが済んだ状態
遠方から送られた荷物は、直接その地域へ向かうわけではありません。方面別にまとめられ、いくつかの拠点を経由します。中継の表示が複数回出るのはこのためです。
宅配3社で異なる表記の違い
同じ状態でも、会社によって表示される言葉が違います。「持ち出し」という言葉がそのまま出てくるとは限りません。表記の違いを知っておくと、混乱せずに済みます。
| 状態 | 日本郵便 | ヤマト運輸・佐川急便 |
|---|---|---|
| 配達に出た状態 | 持ち出し中 | 配達中 |
日本郵便は「持ち出し中」と表示し、ヤマト運輸と佐川急便は「配達中」と表示します。言葉は違っても、指している状態は同じです。「配達中」と出ていれば、持ち出されていると理解してください。
ほかの段階でも表記の違いがあります。会社ごとの言い回しを気にするより、荷物がどの段階にあるかを読み取る意識が大切です。
ステータスが変わらないときに考えられる原因
表示が長く変わらない場合、いくつかの原因が考えられます。多くは一時的なもので、時間が経てば更新されます。
おもな原因は次のとおりです。
- 繁忙期で配達が追いついていない
- 読み取りの機械がバーコードを飛ばしてしまった
- 端末の不具合や、担当者の入力もれ
- 悪天候や災害、事故渋滞による遅れ
まれに、荷物が見つからなくなっているケースもあります。あまりに長く動かないようであれば、荷物が止まっている拠点へ問い合わせてみましょう。
持ち出しと持ち戻りの違い
持ち出しとセットで覚えたいのが「持ち戻り」です。似た響きですが、示す状態は正反対です。
持ち戻りとは何か
持ち戻りとは、届けられなかった荷物を営業所へ持ち帰ることです。読み方は「もちもどり」です。持ち出した荷物が配達できなかった場合に発生します。
持ち戻りになった荷物は、営業所で保管されます。その後、再配達の依頼を受けて改めて届けられる流れです。一定の期間を過ぎると、発送元へ返送される場合もあります。
持ち出しが「出ていく」動き、持ち戻りが「帰ってくる」動きです。対になる言葉として覚えておくと混同しません。
持ち戻りが発生するおもな理由
最も多い理由は、受取人の不在です。インターホンを鳴らしても応答がなければ、荷物を渡せません。不在票を入れて持ち帰ることになります。
ほかにも、次のような理由があります。
- 住所の記載に誤りがあり、届け先がわからない
- 受取人が受け取りを拒否した
- 代金引換で、支払いの用意がなかった
- 配達の時間内に回りきれなかった
持ち戻りが増えると、ドライバーの負担も大きくなります。同じ荷物を何度も運ぶことになり、走る距離が伸びるためです。
再配達を減らすための工夫
受け取り方を工夫すれば、持ち戻りは減らせます。荷物を待つ側にも、できることがあります。
有効な方法を挙げます。
- あらかじめ時間指定をしておく
- 宅配ボックスや置き配を利用する
- 営業所や店舗での受け取りを選ぶ
- 追跡サービスで到着の見込みを確認しておく
再配達の削減は、業界全体の課題です。人手不足が続くなか、1回で受け取れる仕組みづくりが進められています。
ドライバーから見た持ち出し作業の流れ
荷物を待つ側から見れば表示のひとつですが、ドライバーにとっては1日の仕事そのものです。実際の流れを見ていきましょう。
出社から積み込みまで
1日は、点呼と車両の点検から始まります。出社したらアルコールチェックを受け、当日の担当エリアを確認します。タイヤやブレーキ、灯火類に異常がないかを見ていきます。
次に、自分の担当分の荷物を車へ積み込みます。ここが「持ち出し」の起点です。端末で1個ずつ読み取りながら積むため、この時点で追跡の表示が切り替わります。
積み込みでは、降ろす順番を考えて配置します。先に届ける荷物を手前に置けば、現場での出し入れが速くなります。
配達ルートの組み立て方
効率よく回るには、ルートの組み立てが欠かせません。同じエリアの荷物をまとめ、行ったり来たりを減らすのが基本です。時間指定のある荷物を軸に、全体の順番を決めていきます。
考慮する要素は次のとおりです。
- 時間指定の有無と、その時間帯
- 荷物の大きさと、車のどこに積んだか
- 道路の混雑しやすい時間
- 受取人が在宅しやすい時間帯
慣れてくると、どの家がいつ在宅しているかの傾向がつかめてきます。経験がそのまま効率につながる仕事です。
持ち出した荷物を管理する責任
持ち出した荷物は、届けるまでドライバーが預かっています。車を離れるときは必ず施錠し、荷物が見える状態で放置しないよう気をつけます。
荷物の取り違えにも注意が必要です。似た住所や名前の荷物が混ざると、別の家へ届けてしまう恐れがあります。渡す前に伝票を確認する習慣が、ミスを防ぎます。
すべての配達が終わったら営業所へ戻り、持ち戻った荷物を返却して終業です。数が合っているかを確認し、日報を提出します。
持ち出しをめぐるよくある疑問への対処法
持ち出し中の荷物について、判断に迷う場面があります。よくある3つの疑問への対処法を紹介します。
持ち出し中の荷物を営業所で受け取れるか
持ち出し中の荷物は、営業所に行っても受け取れません。荷物はドライバーの車の中にあり、営業所には置かれていないためです。窓口へ行っても、渡せる荷物が手元にない状態です。
どうしても急ぐ場合は、営業所へ電話で相談してみましょう。ドライバーと連絡を取り、対応を検討してもらえる場合があります。ただし、確実に受け取れるとは限りません。
営業所での受け取りを希望するなら、持ち出しの前に手続きをする必要があります。追跡の表示をこまめに確認しておくとよいでしょう。
時間指定がある場合の持ち出しのタイミング
時間指定があっても、持ち出しは朝の段階で行われることがあります。ドライバーは1日分の荷物をまとめて積むためです。午前中に持ち出しの表示が出ていても、指定が夜なら配達はその時間になります。
表示だけを見て「もうすぐ届く」と判断すると、待ち時間が長く感じられます。指定した時間帯を基準に考えてください。
持ち出し中のまま届かないときの確認先
その日のうちに届かなかった場合、翌日に持ち越されるのが一般的です。荷物の量が多い日や、悪天候の日には起こりうることです。多くの場合、翌日には配達されます。
数日たっても状況が変わらない場合は、問い合わせをおすすめします。追跡の画面に表示されている、荷物を担当している拠点へ連絡してください。問い合わせ番号を手元に用意しておくと、話が早く進みます。
もうひとつの「持ち出し」——費用を自己負担する意味
運送の現場では、「持ち出し」がまったく別の意味で使われることもあります。あわせて知っておくと、話の内容を取り違えません。
経費の持ち出しとは
費用の文脈での持ち出しは、本来なら会社が負担する費用を自分で払うことを指します。「自腹」と同じ意味です。荷物の持ち出しとはまったく別の使われ方になります。
会話の流れで、どちらの意味かは判断できます。荷物の話をしているなら配達の意味、お金の話をしているなら自己負担の意味です。
どんな費用が対象になりやすいか
業務のなかで発生する費用が対象になります。会社の規定によって、負担する側が変わる項目です。
話題になりやすい費用を挙げます。
- 高速道路の料金
- 燃料代
- 駐車場の料金
- 宿泊を伴う運行の宿泊費や食事代
- 作業に使う手袋などの消耗品
多くの会社では、これらを会社が負担します。ただし、上限を設けている場合や、条件によって扱いが変わる場合もあります。
求人票で確認しておきたい費用の扱い
応募の前に、費用の負担がどうなるかを確認しておきましょう。給与の金額が同じでも、自己負担がある職場では手元に残る金額が変わります。
面接で聞いておきたい項目は次のとおりです。
- 高速道路の料金は会社が負担するか、上限はあるか
- 泊まりの運行がある場合、宿泊費の扱いはどうなるか
- 制服や作業用品は支給されるか
- 駐車違反などの反則金の扱いはどうなっているか
聞きにくいと感じるかもしれませんが、働くうえで大切な条件です。明確に答えてくれる会社なら、待遇の面でも信頼できます。
トラックドライバーという選択肢
運送の用語を調べている方は、ドライバーの仕事に関心を持っている方が多いはずです。女性の活躍が広がっている分野でもあります。
収入と雇用の安定性
物流は、生活を支える欠かせない仕事です。荷物を運ぶ需要は途切れることがなく、人手不足が続いています。経験を積んだドライバーは、長く働き続けられます。
免許を増やせば、任される仕事の幅が広がります。学歴や前職ではなく、免許と実績で評価される世界です。努力が待遇に反映されやすい点は、大きな魅力といえます。
未経験からでも転職しやすい理由
未経験者を受け入れる体制を持つ会社が増えています。入社後に免許の取得費用を負担する制度や、先輩が同乗して教える研修を用意する会社もあります。業界の用語も、働きながら自然に覚えられます。
接客業や事務職から移ってきた方も活躍しています。丁寧な対応や正確な書類の扱いは、配送の現場でそのまま生きます。
子育てとの両立のしやすさ
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持ち出しに関するよくある質問
最後に、持ち出しについてよく寄せられる質問に答えます。
持ち出し中になったら必ず今日中に届きますか?
その日のうちに届く可能性は高いものの、確実ではありません。荷物の量や道路の状況によっては、翌日へ持ち越されることがあります。受取人が不在の場合も、持ち戻りになります。
確実に受け取りたいなら、時間指定や置き配の設定を活用してください。事前に手を打っておけば、待つ時間を減らせます。
ヤマトや佐川で「持ち出し」と表示されないのはなぜですか?
会社によって表記の言葉が違うためです。日本郵便は「持ち出し中」と表示しますが、ヤマト運輸と佐川急便は「配達中」と表示します。指している状態は同じです。
「配達中」と出ていれば、担当のドライバーがすでに荷物を積んでいると考えて問題ありません。
持ち出し中に配達先を変更できますか?
持ち出された後の変更は、難しい場合がほとんどです。荷物がすでにドライバーの手元にあるため、簡単には差し替えられません。
変更したい場合は、持ち出しの前に手続きを済ませてください。各社が用意している会員向けのサービスを使えば、事前に受け取り方法を指定できます。
ドライバーは1日に何個くらい持ち出しますか?
担当するエリアや時期によって大きく変わります。住宅が密集した地域では件数が多くなり、範囲の広い地域では移動の距離が長くなります。通信販売の需要が高まる時期は、荷物の量も増えます。
件数の目安を知りたいときは、面接で直接聞いてみましょう。1日の流れを具体的に説明してくれる会社なら、入社後のギャップも小さくなります。
まとめ
運送業界で使われる「持ち出し」について解説しました。要点を振り返ります。
- 持ち出しとは、配達のためドライバーが荷物を積んで出ている状態
- 発送元からセンターへ運ぶ工程は持ち出しに含まれない
- 日本郵便は「持ち出し中」、ヤマト運輸と佐川急便は「配達中」と表示する
- 届けられずに営業所へ持ち帰ることを「持ち戻り」と呼ぶ
- 持ち出し中の荷物は、営業所へ行っても受け取れない
- 時間指定があっても、持ち出し自体は朝に行われることがある
- 費用を自己負担する意味でも「持ち出し」という言葉が使われる
運送の用語は、覚えてしまえば難しいものではありません。現場では毎日使う言葉のため、働き始めれば自然と身につきます。予習しておけば、初日の緊張も和らぎます。
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