
「トラックの求人で見かけた『隔日勤務の特例』とは、どんな働き方なの?」と、気になって調べている方もいるのではないでしょうか。1日おきに働くと聞くと、体への負担や生活リズムが心配になりますよね。
先にお伝えすると、隔日勤務の特例とは、2日分の時間をまとめて働き、勤務のあとに長い休息を取る働き方を認めるルールです。トラックドライバーの働く時間を定めた「改善基準告示」の中に、決まりが設けられています。
この記事では、隔日勤務の特例の意味や条件を、ふつうの勤務と比べながら解説します。この記事でわかることは、次のとおりです。
- トラックの「隔日勤務の特例」の意味と、もとになっているルール
- 拘束時間や休息期間など、守るべき時間の決まり
- 隔日勤務のメリットと、注意したい点
- 女性が働き方を選ぶときの考え方
ルールの基本から、働き方の選び方まで、順番に見ていきましょう。
目次
隔日勤務の特例とは?トラックドライバーの働き方のルール
まずは、隔日勤務の特例という言葉の意味と、もとになっているルールを整理します。ふつうの勤務のルールと比べると、特例の位置づけがわかりやすくなります。
隔日勤務とは「2日分をまとめて働く」勤務
隔日勤務とは、1回の勤務で日付をまたいで長めに働き、そのあと長い休みを取る働き方です。たとえば、朝に出勤して翌日の早朝まで働き、その日の残りと次の日を休む、という流れになります。勤務と休みを1日おきにくり返すため、「隔日」と呼ばれます。
もとになっている「改善基準告示」
トラックドライバーの働く時間は、厚生労働省が定める「改善基準告示」で上限が決められています。改善基準告示では、1日の拘束時間を原則13時間以内とするなど、ふつうの勤務のルールが定められています。拘束時間とは、出勤してから退勤するまでの、運転・荷物の作業・待ち時間・休憩をすべてふくむ時間です。隔日勤務の特例は、業務の都合でやむを得ない場合に限って、このルールの例外を認めるものです。
特例が使われる仕事の例
隔日勤務は、夜間や早朝にも荷物を運ぶ必要がある仕事で使われることがあります。たとえば、市場への配送や、夜通し荷物を運ぶ仕事などが考えられます。ただし、どの仕事で使われるかは会社によって異なります。求人に「隔日勤務」と書かれていたら、具体的な勤務時間を必ず確認しましょう。
隔日勤務の特例で守るべき時間のルール
隔日勤務の特例には、ドライバーの健康を守るための細かい決まりがあります。主なルールを確認しておきましょう。
拘束時間と休息期間の上限
- 2暦日(2日間の日付)での拘束時間は21時間以内
- 勤務が終わったあとは、継続して20時間以上の休息期間を取る
- 夜間に4時間以上の仮眠を取る場合は、2週間に3回まで、拘束時間を24時間まで延長できる
- 延長する場合でも、2週間の拘束時間の合計は126時間(21時間×6勤務)以内
休息期間とは、勤務と次の勤務の間の、睡眠もふくめた自由な時間のことです。長く働く分、勤務のあとには必ず長い休息を取ることが、特例の前提になっています。仮眠は、会社の仮眠施設など、体を休められる場所で取ることが条件です。
ふつうの勤務との比較
| 項目 | ふつうの勤務 | 隔日勤務の特例 |
|---|---|---|
| 1回の勤務の拘束時間 | 1日原則13時間以内、最大15時間以内 | 2暦日で21時間以内(条件つきで24時間まで) |
| 勤務後の休息期間 | 継続11時間を基本とし、9時間を下回らない | 継続20時間以上 |
| 使える場面 | 通常の勤務 | 業務の都合でやむを得ない場合 |
表のとおり、隔日勤務は1回の勤務が長くなる代わりに、休息期間も長く取る仕組みです。特例を使っても、連続運転時間は4時間以内という決まりは変わりません。運転の途中では、合計30分以上の休憩を取る必要があります。
2024年4月の見直しとの関係
改善基準告示は、2024年4月に見直されました。1か月の拘束時間が原則284時間になるなど、ふつうの勤務のルールが変わっています。隔日勤務の特例を使う場合も、1か月の拘束時間などのルールはあわせて守る必要があります。
隔日勤務のメリットと注意点
隔日勤務には、ふつうの勤務にはないメリットがある一方で、体への負担に注意が必要です。両方を知ったうえで、自分に合うかを考えましょう。
隔日勤務のメリット
- 勤務のあとに長い休みがあり、自由な時間をまとめて取れる
- 通勤の回数が少なくなる
- 22時から翌朝5時までの深夜に働いた時間には、割増賃金が支払われる
勤務のあとの時間を使って、趣味や家の用事をまとめて済ませる方もいます。まとまった休みを取りたい方にとっては、魅力のある働き方です。
注意したい点
1回の勤務が長く、夜間をまたぐため、体への負担は大きくなりやすい傾向があります。勤務の前には、6〜7時間を目安に、しっかりと睡眠を取ることが大切です。勤務中に強い眠気や疲れを感じたら、がまんせず、安全な場所にトラックを停めて休みましょう。体調がすぐれないときは、運転する前に必ず会社に申し出ます。
子育て中の方が考えたいこと
隔日勤務は、夜間に家を空ける時間が長くなります。子どもの預け先や、家族の協力が得られるかを考える必要があります。子育て中の方は、日中だけの勤務と比べて、どちらが生活に合うかを考えましょう。
トラックドライバーという選択肢
隔日勤務のように、トラックドライバーにはさまざまな働き方があります。ここでは、女性がトラックドライバーとして働く魅力と、働き方の選び方を紹介します。
女性が働きやすい職場がふえている
国土交通省は「トラガール促進プロジェクト」を進め、女性が働きやすい環境づくりを後押ししています。女性専用の休憩室やトイレ、仮眠室を整える会社もふえてきました。働き方の選択肢が広がり、自分の生活に合う仕事を選びやすくなっています。
働き方の選び方
| 働き方 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 日勤の地場配送 | 日中に働き、毎日家に帰れる | 子育て中の人、未経験から始めたい人 |
| 夜勤 | 夜間に働き、日中に休む | 夜型の生活が合う人 |
| 隔日勤務 | 長く働いて、長く休む | まとまった休みがほしい人、運転に慣れた人 |
表は一般的な傾向であり、会社によって勤務の形は異なります。未経験の方は、日勤の地場配送から始めて、慣れてから働き方を広げる方法がおすすめです。
応募前に確認したいこと
- 1回の勤務の時間と、勤務のあとの休みの長さ
- 仮眠の時間と、仮眠を取る場所の環境
- 自分の免許で運転できる車の大きさ
運転できる車の大きさは、免許を取った時期によって変わります。たとえば、2017年3月12日以降に取得した普通免許では、車両総重量3.5t未満の車まで運転できます。応募の前に、自分の免許証で区分を確認しておきましょう。
隔日勤務の特例に関するよくある質問
最後に、トラックの隔日勤務の特例について、よくある質問にお答えします。
隔日勤務の特例は、どの会社でも使えますか
業務の都合でやむを得ない場合に限って使える例外です。会社が自由に使えるわけではなく、決められた条件を守る必要があります。
隔日勤務の間に、仮眠は取れますか
夜間に4時間以上の仮眠を取る場合に、拘束時間を24時間まで延長できる決まりがあります。仮眠の時間と場所は、応募前に会社に確認しましょう。
隔日勤務でも、運転の途中の休憩は必要ですか
必要です。連続運転時間は4時間以内で、合計30分以上の休憩を取るルールは変わりません。
未経験でも、隔日勤務の仕事はできますか
会社によっては可能です。ただし、1回の勤務が長いため、まずは日勤の仕事で運転や作業に慣れてから選ぶと安心です。
まとめ
トラックの隔日勤務の特例について、ふり返ります。
- 隔日勤務の特例は、業務の都合でやむを得ない場合に認められる例外
- 2暦日の拘束時間は21時間以内で、勤務後は継続20時間以上の休息期間を取る
- 夜間に4時間以上の仮眠を取る場合は、2週間に3回まで24時間に延長できる
- 連続運転時間4時間以内のルールは、特例でも変わらない
- まとまった休みが取れる一方、体への負担と睡眠の確保に注意する
働き方のルールを正しく知ることは、自分に合う仕事を選ぶための土台です。トラックドライバーへの転職を検討中なら、ぜひ「トラガール」をご覧ください。


